織物は生地を織り上げて完成ではありません。生地にさまざまな後加工をほどこすことによって、商品に使われる生地へと変身するのです。先染めの糸で織られた柄は毛羽があるとボヤけて見えるため、毛羽を焼いたり、織る際のノリや油を落としたり、乾燥させたりと多くの工程があります。
山梨県織物整理さんは社名のとおり、後加工である「整理加工」をされています。マフラーや洋服に使われる生地の加工を得意にしていて、天然繊維の生地を洗う際に富士山の地下水を使用しています。地下水は塩素が含まれていないことから生地を傷めずに洗うことができます。また、水質が安定しているというメリットも挙げられます。山梨県織物整理の小杉さんが大事にしていることは、失敗しないこととお客様がなにを求めているのかを汲み取ること。現在の目標は、整理加工という仕事をたくさんの人たちに知ってもらうこと、そして、若い世代が増えることで織物産業を盛りあげていくことだそうです。富士吉田の水をいかし、高い技術力を伝え、未来を見据えて、今日も生地を洗うのでした。
